大分地方気象台


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ホームじゃないよ >局地的気象監視システム(WINDAS)とは?

システムの概要

1、整備目的

  •  豪雨・豪雪などの局地的災害をもたらす現象に対する監視・予報業務を強化するため、現行のラジオゾンデによる高層気象観測網に加えて、高層風を時間的に連続して測定するウィンドプロファイラ観測網を整備しています。
     特にメソ数値予報モデルの初期値に空間的・時間的に高密度な高層風データを提供し、局地現象に対する予測の高度化を実現することを重点目標としています。

2、システム概要

  •  本システムのウィンドプロファイラは、周波数1.3GHzの電波を上空5方向に発射し、空気の屈折率の変動によって散乱された電波を再び受信し、ドップラー効果を利用して上空の風向・風速を測定する一種のドップラーレーダーです。
     高度約300mから5km程度までの層における風を、10〜30分ごとに測定します。

  •  全国に配置されたウィンドプロファイラ(25カ所)は、気象庁(東京)の中央監視局によって集中遠隔制御・監視され24時間運用します。
    中央監視局では全国からオンライン観測データを収集し、品質管理を施された後に、気象資料総合処理システム(COSMETS)に送ります。この観測データをメソ数値予報モデルに入力することにより、局地的現象に対する予報精度が向上し、正確できめ細やかな防災情報の発表が可能となります。
     さらに、各地の気象官署へ送られ、上空の風の監視に使われます。

  •  この観測システムを総称して「局地的気象監視システム(WINDAS:Wind Profiler etwork and ata cquition ystem)」と呼び、ラジオゾンデによる高層気象観測を補強する新しい気象観測網です。

図1:ウィンドプロファイラ観測のデータの流れ
ウィンドプロファイラ観測のデータの流れ


 大分地方気象台にもウィンドプロファイラ観測局が設置され2001年4月から運用されています。








図2:ウィンドプロファイラとラジオゾンデによる高層気象観測網
ウィンドプロファイラとラジオゾンデによる高層気象観測網
写真:大分地方気象台に設置のウィンドプロファイラ
大分地方気象台に設置のウィンドプロファイラ

電波の散乱とドップラー速度

ドップラー原理の図
  •  地上に設置した多数の小型アンテナ群(フェイズドアレイアンテナ)から。約5度に絞られた電波を75度〜80度の仰角で発射する。上空の風上に向けて発射し、もどってきた電波はドップラー効果のため周波数が高くなります。風下側の場合には逆に周波数は低くなります。
     特にメソ数値予報モデルの初期値に空間的・時間的に高密度な高層風データを提供し、局地現象に対する予測の高度化を実現することを重点目標としています。
  • 電波は、晴天時には空気の屈折率の変動により散乱され、降水時には降水粒子に散乱され、かえってきます。




電波が傾いて発射される模式図

風測定の原理

5つの方向に電波を発射し、各高度で5つのドップラー速度を観測する。
風測定の原理1
5つのドップラー速度の組み合わせから風向・風速が求まる。
風測定の原理2
地上付近から上空高度5km付近までの風の鉛直分布の時間変化が測定される。
風測定の原理3
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