持倉鉱山精錬所跡
第六章

脛まで水に浸かり慎重に渡河す
雪融け水の時期は過ぎていたものの、水は冷たく、水流に足を掬われかねなかった
小さな川と侮っていたが、中々馬鹿にはできない

川を渡るとすぐに藪に隠れた煉瓦が待っていた

対岸から先ほどの遺跡を見る

こうやって見るとかなり大きさに圧倒される
本当に良く残っていたものだ
ある程度は予想していたものの
藪の深さは想像を超えるものであった

上陸地点から奥に進もうとするのだが、
棘のある木々や草に覆われ見えない足場に苦労させられる
しかし藪をかき分けていくとかなりの遺跡群がみられる

これはどうやら本来の地面であったのだろう
上部は平坦でこの上に遺跡がある
先ほどの足場に登ってみる

右手に巨大な遺跡が見える
崩壊が進んでいるものの階層状になっている
対岸にあったアーチや坑道とおぼしきものが見える

坑道であろうか?
それともレールが撤去された軌道敷か?

人がなんとか入れそうな大きさだが
覗くと何箇所かで内部が崩れていた

少々危険が伴うようである
第7章