持倉鉱山精錬所跡
第七章


坑道の内部への入口は数カ所あったのだが、内部の崩壊が進んでおりほとんどが塞がれていた
一箇所だけ中に入れそうな穴を見つけ、内部を見てみる

坑道とおぼしき穴に入ってみた
中は狭く、立ち上がることはできない
階段がある事から考えると軌道敷ではないようだ

煉瓦が青く輝いているが、
おそらくは銅の化合物が含まれているのであろう
流石にこのあたりの銅山は、
日本でも有数の採掘量を誇ったと言われるだけはある
陰影が幻想的である

まるで地下迷宮の出口のようにも見える
本当にここは不思議な空間だ
非現実感に捕らわれてしまう
フラッシュを焚いてみる
かなり狭く閉塞感がある
ここで働いていた人々の苦労が忍ばれる

内部もかなり崩壊が進んでおり
ヘルメットが無いのがかなり怖い
後ろを振り返ると崩れた土砂で埋もれていた
本来は上へ行けるような感じであったのだが
これでは流石に行くことは出来ない

一部壁が崩れて外が見える
牢獄の中にいるような感じさえ受けてしまう
れた穴から外を覗く

外は一面の木々が生い茂っている
中とはまるで別世界のようだ
そろそろ外に出て美味しい空気を吸いたい

第八章