HS 1916-T05
日ノ出鉱山
金、銀、銅、鉄、亜鉛 位置:東蒲原郡日出谷村外一 鉱業権者:小出淳太
七月操業に著手し専ら探鉱中なり鉱山附近の地質は古生層及第三紀層より構成せられ
往々石英粗面岩又は安山岩等の噴出岩脈をなして露出せるを見る古生層は主として粘板岩にして珪岩砂岩等より成り
第三紀層は頁岩、砂岩、片岩、凝灰岩等より成る、
稼行鉱床は二條あり一つは太師鼻坑より稼行し第三紀層を母岩とし他は深谷坑及川前坑より稼行するものに係り
古性層の粘板岩を母岩とす而して前者は裂罅鉱床にして零度乃至30度の走向をとり東に傾斜して80度を示す同一露頭中二條の鉱帯を存し相互の間隔約十余尺
現在に於ては上盤脈を稼行せり其の幅二尺内あり主として黄銅鉱を包含し多少の硫化鉄鉱を伴う
後者は変質交代鉱床にして約340度の走位をとり川前坑より深谷坑に延亙し其の間約2400尺ありて幅4・50尺より7・80尺に至り東に傾斜す
本ヒは雲母鉄鉱を主とし之れに不規則に黄銅鉱、硫化鉄鉱(結晶)を伴い又一部に於て閃亜鉛鉱を産出したることあり随伴鉱物としては
「へデンべルジャイト」柘榴石、方解石、石英等あり川前坑方面に於ては珪灰鉄鉱著しく発達し柘榴石も亦其の量を増加し又磁鉄鉱を伴う
HS 1916-T05
蓮華鉱山
銀、銅、鉛 位置:西頚城郡小瀧村 鉱業権者:蓮華鉱山合資会社
八月操業に着手し探鉱と同時に下記設備の工事中なり(※原本は左記)
選鉱場:五番形ブレーキ式砕鉱器一、七百ポンド十本立鉄製搗鉱器一、同五本立鉄製搗鉱器一、
ウヰルフレー淘汰盤三焼鉱場 横置反射炉運搬設備:単線式鉄索 延長三萬四千五百尺此外選鉱場及架空鉄索原動用として二十五馬力石油発動機各一台、
二十馬力二台並びに電燈用八馬力のもの一台を設置せんとす
猫岩鉄山
本山は現鉱業主池田為之助※試掘権を得て大正五年より探鉱に著手し、
同年七月鉱山局技師平林武氏踏査当時は未だ僅かに数個の露頭の発見
せられたるのみなりしか爾来専ら探鉱の結果70余個の露頭を発見せり
現時は採鉱の準備中にして小出町、中子沢間の道路の開鑿は略完成し、
中子沢より採鉱場迄直距約一万尺の間には鉄索架設中なり
―中略―
本山の鉱石は、北海道の室蘭製鉄所に売鉱する計画
※鉱区一覧では東京市下谷区上野花園町11 池上為之助 とあるが一覧は誤植も多い